介護福祉士国家試験受験申込者が微増
来年1月に実施される第31回介護福祉士国家試験の受験申込者数が明らかになっています。受験資格の変更などがあり、数年前に大幅に受験者数を減らした介護福祉士国家試験ですが、どのような状況なのでしょうか?
介護福祉士になるためには、試験を受けるための受験者資格を得て、さらに国家試験に合格をしなければなりません。合格のハードルは決して低くありません。
2017年度の試験から実務経験を積んで受験をする場合には、実務者研修の受講が必要になり、ハードルが上がったことで前年2016年の半数ぐらいに受験者数が落ち込んでいます。
昨年の第30回の試験、つまり2018年度の試験は2016年度の約6割ほどの受験者数になり、増加傾向になっています。
受験者数の激減からやや持ち直した感がある介護福祉士国家試験受験者数ですが、今年度の試験がどのようになるかが注目されていました。
2019年度の受験申込者数は全国で9万8688人。前年度が9万6247人でしたので2441人増えたことになります。
率にすると約2.5%の微増という結果で、受験申込者のピーク時の6割程度という状況には変化がありませんが、受験者数減少に歯止めがかかったといえる状態です。
介護福祉士資格を取得できる養成施設入学者数は激減
介護福祉士資格を取得できる養成施設の入学者数は激減しており、日本介護福祉士養成施設協会調査によると定員の半分にも満たないことになっています。
将来の介護の担い手について心配な数字です。
昨年度の試験では養成校からのルートでも、国家試験を受験して合格することが必要であることが明記されました。
その影響で学生が国家資格を受験したことが、受験者数増加にもつながったともいわれ、そうすると昨年度からの増加もあまり喜んではいられない状況だともいえます。
介護の人手不足解消を目指す政策
将来の介護の担い手が不足することは、日本にとって大きな問題ですから国も真剣に人手不足の解消を目指しています。
そのひとつが今連日のようにニュースで流れている入管法改正による外国人労働者の受け入れ拡大です。多くの外国人が日本を目指してくれるようになれば、介護人材確保にもつながります。
また、勤続10年以上の介護福祉士に、月8万円程度の処遇改善が行われることも決まっており、介護職のリーダーとしての役割が期待される人たちに手厚い手当も考えられています。
これらの政策が功を奏し、現在は微増程度の介護福祉士国家試験の受験者数も再び高い伸び率を示し、以前の水準まで戻ることが期待されます。